御意見等在れば、お願い致します。

2016年08月23日

ネックについて考える(追記しました)

ネックには諸説まことしやかに語られる話が多いが、その中に検証されたモノは在るのか疑問である。
ネックは太い方が良い。
ネックは鳴る物が良い。
 
それはどうかな?
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ネックが太い方が良いと思っている説では、ある時代のギターの評判が良く、その批評などで「グリップが太めでシッカリしているから音も太い」とか、太い方が振動が良く伝わる的な言葉をうっかり自分の考えの様に脳味噌に刷り込んでしまっているだけの人の意見に見える。
仮にもしそうだとして、その確認を本人はした事はあるのか?
そりゃ、実際にそう云う機種をちゃんと集めて弾き比べてみても10人が10人同じ答えを出すとは思えない。
 


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字際にネックの容積はUシェイプ、Cシェイプ、Vシェイプの順に少なくなっていくが、その事と音質に関連付けされた話は聴いた事が無いし、UとVだと容積はかなり違う筈だが、太いネックが鳴ると云う理屈にはネック容積は関係が無いのだろうか?

不思議な話である。

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最近思う事は、アコースティックギターのネックが細く弾き易い機種が多い事だ。
それは、ある意味、強度的はこの太さで大丈夫と云うメーカーの結論だろう。

現段階では、ストラトやテレキャスのネックよりもアコギのネックの方が細い。

弦の張力に関してはエキストラライトをアコギに張った方が張力はエレキで0,9から始まるセットを張るよりもかなり高く、実際にはライトゲージで通常使用に耐える様には最低限設定されているのが普通だ。

なのに、エレキのネックは相変わらずだ。

初心者が購入する様なグラスルーツなどのネックは初めから細くて使いやすい。
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さて、ネックの鳴りと云う話もあった。

それって何だ?

実際に共振や接合部の不具合、ウルフトーンの様な特定の周波数にのみ良く響く様に感じるものもあるが、実際には曖昧な話に感じるが何を指して云っているのかが判らない。

アコースティックギターでワザとネックの強度を落として共振を伴わせる事で響きを作ると云うことも実際にはあるが、その場合は曖昧な話ではなく理由も方法も明確だ。

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 ネックの鳴りの件については、実際に何の事を云っているのか判らないので突き詰めて考察は出来ないが、云える事は基本的にエレキギターは共振させない様に作るのが常識だ。

つまり、大きな音量で楽器を弾いた時にハウリングが起らない為だ。
ピックアップを緩めに留めているとアンプと共振してピックアップが電動はブラシの様に高速で振動する事がある。
コレは、ピックアップの高さを調整する為にバネを使っているギターに起り易い。
それを知っているからフェンダーは貧乏ったらしいチューブをワザワザ使って振動が起らない様にしている。

いつも同じ高さの音程しか出さないのなら構わないが、楽器である以上、沢山の音程で音を出す事を前提にしているのだから、この音程は振動してもイイと云う事は有り得ない。

それにコードやハイポジションを弾く時などは、響く場所が変わる訳で何処を弾いても鳴るってのもイメージできないし、それはネックの接合が悪いか、トラスロッドが緩んでるんじゃないのか?なんて思えてしまう。

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自分の考えでは、ネックは弾き易さで選択するべきと云う事だ。

人間ひとりひとり手の大きさも違えば、掌の肉の厚みや指の長さも違う。
力も違うし爪や指先の形状、手汗の量も違う。
同じネックを使う必要は元々無い。

弾けない初心者は判らないだろうから基本は諦めて貰うしかないが、誰でもそうなのだからしょうがない、まあ、握りやすいとか、しっかり握れるとか、そうした範囲で検討してみればイイと思う。

何本目を購入するのなら、色とかそんなの全部捨ててネックだけで選んでみるのもイイだろうと思う。
演奏がバラついたり、何かうまく行かない時にそいつに戻ると助けてくれる可能性がある。

更に、デタッチャブルネックなら、外して自分で小型カンナを買ってきて好きなだけ削って、細いネックを作ってみるとイイ。
今までと何か違う感覚が沸き起こってくると思う。

ネックの太さを握って確かめる時には簡単にでもペーパーは掛けた方がイイ、掌はザラザラしたり凸凹があると違和感をもって、それ以上に太く感じるからだ。

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弾けないうちに何を語っても意味は無い。
弾きづらいネックでギターを弾いても、長くは続かないだろう。
それじゃ、ネックの太さ以前の話で結局弾かないなら意味無いでしょ。

何本かギターを持つ人は、どのギターを使った時に自分が巧く演奏できるようになったかを覚えている事がある。
自分はいつも同じネックの細いギターだったし、今でもそのギターが一番しっくり来る。
(このブログでは紹介していないギターだけど)
そうしたギターに出逢うか作るか、その辺の運は必要なのかもしれないが、ベースになるギターを持つ事は大切な事だと思う。


 エレキギターも作られた時は太いゲージしか存在しなかった。
そのゲージを使って壊れないで使える事を前提にネックは作られている。
その程度の事は知識が無くても想像できる範囲だ。

そして、共振も同じで、エレキはアコギではバンド内や演奏時に音が小さくて聴こえないので、大きな音を出せるギターをと云う事で作られた発明品だ。
初めから大きな音を出す様に作られている訳だ。

予定外だった事は、ジミヘンの様に巨大なアンプを歪ませてフィードバックした音も演奏に取り入れたり、アンプ自体がクリーンな音のまま音が大きくならずに歪んでしまい易い事がプレイヤーにとっては新たな演奏方法として取り入れられ、それこそが普遍的なギタープレイを産み出す結果になった事くらいだ。

もちろん、アコギにピックアップを取り付けただけのギターは、そうした演奏にはついて来られなかった訳で

フェンダーのネックがある程度太いのは鳴りと云うよりは人気の結果です。
彼らはだいたい手もデカイので我々が気にする必要は無いでしょう。 


追記 2016・8・31
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こんな形で削る方法もありますし、作業としても楽ですね。

小刀を買ってきて、こうして立てる様にしながら牽く事で削る事が出来ます。
多少のコツは有りますが、メイプルは硬いので丁度イイと思いますね。

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今回はアメスタ2台を調整ですが、1台は在る程度細く加工して在ったのですが、メインのギターレベルにまで細くしてしまおうと思い、ネックを外すのも面倒なので部屋で掃除機を側に置いて作業しました。

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22Fで巻尺で指板の上部から下部まで7cmくらいになっています。

G&L S-500 Tributeの場合は、8,2cm程度でした。
数値は巻尺の端の金具がこうしたものを計る様になっていないので目安として捉えて置いてください。

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今回は、指板の端もシャープに削って、親指の腹の部分に来る圧迫感を更に無くしていきます。
どの部分を削れば自分の手の厚みや指の邪魔にならないかを考え、何度も握りを確かめながら作業します。

だいたいOKであれば、ペーパーを掛けて終了です。
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また、削りたくなったら削ればいいんです。
これで更にネックの容積は減り幅はフェンダーサイズですがシェイプによってフェンダージャパンよりも全然細く薄いネックになりました。

当然、弦を張って音出しチェックですが、特にサウンドの変化はありません。
しかし、弾き易い。
もう少し前に作業しておけば良かったです。

ネックの塗装に関しては、タッチを含めて未塗装が一番ですね。
メイプルは汚くはなりますが特に問題は在りませんよ。




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livebackdoor911 at 04:02コメント(2)

コメント一覧

1. Posted by 通りすがりのおっさん   2016年09月07日 22:12
こんばんは、以前拝見させて頂いてからずいぶん経ちますがまたよらせて頂きました。ネックを小刀でシェイプされている写真が何とも衝撃で私などはネックにそんな事していいの??って思っておりました。しかしまさにネックの太さについてあれこれ思慮しておりましたので踏ん切りがついたというかなんというか私も挑戦したくなっております。きっかけがこのブログです。(笑)やります。また結果報告出来ればいたします。では失礼いたします。
2. Posted by SEAMAN   2016年09月08日 00:39
通りすがりのおっさんさん 

連絡有難う御座います。

画像である様に小刀の場合はこうしたサイズの削りカスが出る様な力加減で行えば、極端に削り過ぎる事は少ないと思います。
(私の場合掃除機を動かしているので、実際にはこの何倍も削りカスは出てます。)
初めは2段階くらいに分けて作業する方がイイと思います。
エレキでしょうから、弦は張ったままにしてください。
その方がグリップを確かめる時に感覚が良く判ります。

健闘を祈ります。

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