御意見等在れば、お願い致します。

2014年04月20日

Fender USA American Standard Stratocaster 2

第40弾は 2本目の Fender USA American Standard Stratocaster です。

前回のモノにかなり近い時代のモノですが、こちらはJeffBeckモデル同様ツイードケースでしたので、こちらの方が少し新しいかもしれません。
見た目は、殆ど普通のストラトですがカスタムはいつもの様に多少してあります。
上から順に
ペグはロック式のシュパーゼル
カーボンナット
ステンレスフレット
スキャロップドネック
ピックアップ 
DiMarzio DP117 HS-3
TBXコントロール
に、なります。

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チューニングが安定して、トレモロの効きが良く、ノイズの少ないストラトは弾いていて楽しいですよ。

いざと云う時でもTBXが付いていますから、アンプをいじる前にギター側での調整もある程度は効きます。

でも、JeffBeckモデルやTOKAI-MATを弾くと、ハイポジションがやはりどうしても弾きづらい。
ヒールカットはしたいところですねえ。
オレはアメリカ人みたいに手がでかくないからねえ。

音色的には、何か優等生過ぎて少し物足りない部分は感じるけど、実践ではかなり使い易いモノになっていると思えます。

ストラトは不安定な部分も魅力と云えば魅力だからねえ、ちゃんとしたストラトは大事だけど、ちゃんとしちゃうと何か物足りないって云う、無いものねだりが出てきてしまうのかも知れない。

色んな事を試せるTEST用のピックガードでも作って、色んなピックアップや配線の切り替えが出来るモノとか作ってみようかとも思ってます。
そういった面でもストラトは便利だよね。



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このギターは、まだネックのリシェイプが終わっていないのでグリップがまだ太いです。
通常のストラトよりもややファットなサウンドですがパワーは抑え目なので、扱いはそれ程違いは感じませんが、MIXのサウンドはストラトらしいクリーンなサウンドではありません。
HS-3は、フェンダーのノイズレスと同じ様に縦に2連のコイルを載せてハムキャンセル出来る仕組みなので、ノイズにも強いので便利なピックアップですが、JeffBeckモデルに載っているモノよりは太さはありませんし、通常のノイズレスよりは太いと云う感じで、アンプを滅茶苦茶ドライブさせて歪ませる場合に歪み過ぎて大きなサウンドが出せないと云う事が無い程度に出力を抑えて有る様ですね。


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トレモロユニットはアメスタの美学と云うべき2点留めナイフエッジ式のものなので、コレは素晴らしいトレモロです。
現在までのトレモロの中ではベストなパーツです。
利き幅もそれなりにありスムーズ、質量も6点式のユニットとほぼ変わらないのでサウンドもストラトらしさを殺しません。
チューニングも狂いづらく、ロックペグと併せて使うと、より効果在ります。

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弦が緩んでいるのでアームの角度がかなり上がっています。

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バネは2本で留めています。

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なぜか7と描かれています。
横棒は1と間違えない為で、コンピュータ業界やUSではこちらが標準の書き方ですね。
7番と描かれたネックと合わせるって事でしょうか?
普通はそれならネックポケットに描くよね。
Fだとしたら、それもよくわからないな。
知ってる人教えてください。



ブロックは薄い鉄製、これでストロークも取れます。
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ジョイントパネルにはロゴです。
マイクロチルトの穴もあります。
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ヘッドには元から付いていたテンショナーを外してあります。
スパーゼルのロックペグは軸の高さが弦の位置によって換えて在る為、テンショナーが無くても弦外れが起きにくいので。

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ナットはカーボン、強度と摩擦係数の低さが売りです。
鉛筆でナット溝をなぞらなくてもカーボンナットならOKです。
ブラスとかは他のフレットの音との差が出過ぎの気もしますし、削れ易いのであまり使いたくは無いです。
基本は牛骨ですが、これも試して良ければ他のモノもカーボンにするかも。


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フレットはステンレス
フレットの打ち直しはスキャロップネックにはかなりつらい事なので、強度のあるステンレスは有り難い存在です。
実際はもっと硬度の高い材料でフレットを作ってもらいたいですね。
フレットの打ち直しはネックにかなりの負担を掛けますし、ニュアンスが大幅に変わりますからね。
減らなきゃいいんですよ。
音質なんかたいした差じゃないですよ、打ち直しの事を考えればね。

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ヘッドの裏には見慣れないシール「
Fender 50YEARS OF EXCELLENSE
と、書かれています。
と云う事は96年製ですね。


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ネックはいつも通りスキャロップですが、多少リッチー風で低音側が浅めになっていますが、仕上がりがいまいちで斜めのエッジが見える様では面取りが甘いです。
調整と仕上げが必要ですね、他のネックとの違いが大きいので、少し弾きづらい傾向にあります。



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このユニットはホントにいいです。


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ピックガードを外すと、広い空間が現れます。
色んなサイズのピックアップに対応する為に大きなザクリになっています。
コレを嫌う日本人も多いですが、フェンダーは元々効率を優先する会社です。
NC加工で全てのストラトを同じラインで削り出します。
メキシコ生産品も、マスタービルダー品もです。
マスタービルダーは削りだされたボディを選んでネックを組み合わせ、そこからが仕事です。
マスビルのクラプトンモデルで5ピースのボディも在った様ですが、黒く塗るんだから問題無いという程度の返答だった様です。
フェンダーはこうした効率重視で、それを可能にする為の設計がなされていますので、調整が大変なパーツはピックガードにアセンブルしてネックポケットに合わせれば調整完了ですし、だからこそ面倒なトレモロも安価に組み込める訳です。
自分はこの設計思想が大好きですね。
だからこそ世界を変えられる程、ギターを普及させる事が出来たと思います。

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リアのトーンが2連ボリュームになっていますね。
これがTBX回路です。

TBXとはハイカットとローカットするボリュームを2連式ボリュームに組み込んだもので

絞りきった時→ハイカット・センターの時→通常のトーンコントロール全開

・全開の時→ローカットになります。

トーン全開にプラスしてローカットが連続的に効きますので高音域のコントロール幅が広がります。

ローカットとハイカットの中間の部分にクリック感が在りますので操作中もすぐに判ります。
リアピックアップもコントロール出来る様に配線されています。
と、前回の文面を流用しておきます。



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ネックポケットの状態はこんな感じ、マイクロチルト機構付きでシムいらずですが、この個体はチルトさせていませんね。

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何だか1~7が書かれたシールとチルトの受けの金属プレートがあります。
Cって書いてありますが、ネックのシェイプの事ですかね。
ツバ出しになっておりますが、メイプル部分はかなり薄いですね、無くてもイイくらいですね。
レオならメイプル部分はきっと無いだろうね。


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ここでちょっとオマケですが、こうやってネジを外すとバラバラのフェンダーですが、このせいもあって安っぽいとか、セットネックよりサスティーンが無いと云う事も云われてきましたが、実際にはどうなのか?

確かに、自分にとってはネックを加工しないと使えないと云う事もあり、このおかげで助かっている事やネックを交換する事で、使える様になった楽器もあったのでありがたい事なのですが。

実際にはネックとボディをネジで圧力を掛けて固定しているので、通常のセットネックよりも接合は強固になります。
ギブソンはその問題に対して、寸法をギリギリにして圧力を掛けてネックを差し込む方法を考えましたが、レスポールは片側だけがカットされたボディになっていた為、接着が完了するまでの間にネックが高音弦側に傾くモノが多くありました。
それを補正する為にエスカッションでピックアップをずらしたり、面倒で無駄な作業を強いられてきました。

それを無くす為にディープジョイントが考えられ、奥までネックを差し込むことでネックの傾きを無くす事に成功したのですね。
実際にはピックアップホールを作る際に一緒に削られてしまうので、どの程度接合面があったかは分解してみてもわかりません。
現在のレスポールの高い製品にはディープジョイントが使われて居るようなのですが、既にネックは傾かずに接合できる方法が確立し、それを実践しているにも関わらず、ネックの圧入もせずにディープジョイント加工を行い、ちゃんと作ってますよ〜ってやっている訳です。

根本的に設計が違うので仕方ないですが、フェンダーの効率を考えた設計に比べあまりにお粗末な印象を持ちます。
実際にはレスポール氏の専用ギターとして開発したものですから、彼がOKならそれでイイわけですが、それを売れるからと云う事でメインの商品にして甘えた結果なのか、製造ラインの職人の腕が良かったからそれで済んでいたのか・・・不思議なものです。
レスポール以外の主力製品を開発できないって事はメーカーとしてガッカリな印象を持たざるを得ないと個人的には思います。

そのせいか、フェンダーの高級機種は有名な職人が作っているからとは云うものの、通常ラインとの差をそれ程感じないんですねえ。
だって、基本設計がちゃんとしていて、同じNCマシンで削り出しているんですからね。
木がイイ筈だって思い込んでる方も居る様ですが、前出の5ピースのクラプトンモデルや、元々2~3ピースで接合した材料で作ると云う基本設計の概念が在って、異常な高値で作れる様な作り方は基本出来ないんですけどね。

グレコのGOシリーズとかを、フェンダーやギブソンで作ったら幾らになるんでしょうかね?

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修理交換用の部品の一部です。
手に入る時に買っておくのがかなり大事で、手に入らなくなったりする事がかなりありますし、ギター本体に使われる部品はたいした種類は無いので、大まかに考えておけば大丈夫です。
コンデンサーや旧いベルデンのケーブル等も在りますが、今は別にそれを交換しようとは思っていないですね、変わる事は変わるでしょうが、そのプラシーボ効果の為に作業するのは面倒です、ポッドがガリが出て交換する時等に一緒に換えるくらいならしてもいいかな。



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最近はスパーゼルが多いので、ロック式ペグの時は必要ありませんが他のギターの弦を交換する際にはこのBOSCHの電動ドライバーが重宝します。
片手で弦のテンションを保ちながらですから、手動式は安定しません。
ブラック&デッカーのモノを初めは使っていましたが、速度が遅いので今は使いません。
コレはかなり便利です、最近は電動工具も安くなって来てますから一家に一台如何でしょうか?



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コメント一覧

1. Posted by じゃもん   2014年04月23日 21:06
3~5ピースという考えは、本来、柾目取のように良い部分でそろえるという意図があるものですが、ソリッドの場合ベタ塗りなので関係ないのですかね。
SEAMANさんのFENDERは実にきれいですね、キズ一つ無い輝きです。96年製ですか、いぶし銀の輝きです。
フレットの摩耗はいつも気になります。何本かのギターで交互に弾けば10年以上は問題ないかもしれませんね。
しかし、いいギターをたくさんお持ちですね。
2. Posted by SEAMAN   2014年04月24日 03:06
フェンダー社内部の理屈は判りませんが、通常の木材の価値は材質、杢目、サイズで決まります。 つまりどんなにイイ材料と云えども5ピースのサイズって事だけで高価な訳が無いって云う事が常識的に自分には在りますから、納得がいく理由が無いんですよね。
実際には木材は家具や建築で使用する事が殆どなので(実際に一番多いのは紙を作る事ですが)そのマーケットで決まった価値が応用されている事が根底に在り楽器材としてと云うモノはほぼありません。
フェンダーやマーチンは山ごと契約して納入出来るようにしています。
しかし、ここからシーズニングや木材を使える様にするまでに時間が掛かりますので、そこには経費が掛かっては居るんでしょうけれどね。

ギターを複数持つ事は、ギターに関する客観性とプレイする自分をも客観的に捉える事が出来ますので、悪い事ではない気がしています。
それに、そのおかげでメインのギターの寿命が伸びている事も確かですので。

ステンレスフレットは減りが少なく思えますので、長く付き合っていきたいと思えるギターがステンレスフレットだったらイイですよね。
昔のギターでは真鍮のフレット等がありますので、それは本当に早く減ってしまいますから。

昔は太い弦しか無かったので、フレットが低くても問題なかったし、プレイスタイルもコードワークのプレイヤーの方が多かったので、それで良かったのだと思いますが、細い弦が出てから大きくプレイスタイルが変わって来たので、自ずとフレットやネックに関してはプレイスタイルに合わせた多様性が求められてきていると思いますね。

まあ、フレットを減らさない為に一番重要な事は錆びかけた様な古い弦で弾かないと云う事だと思います。
プレーン弦が黒っぽくなって来たらもうダメです。ヤスリがけしている様なものです。

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