2014年01月09日
Gibson Les Paul Recording
第31弾は Gibson Les Paul Recording です。
レスポール氏が最後までメインで使っていた本当のレスポールと云えるべきモデルですね。
ハイインピーダンスとロウインピーダンスの切り替えができますので、通常のアンプを利用する事が出来ます。
こいつを弾いていると、トップがメイプルだったり、ハムバッキングなのが、レスポールならではなのだ! と云う、ある意味常識と思われている話がバカバカしくなるほど、ホンジュラスマホガニーで作られたこのレスポールは良く出来ています。
まあ、どう考えても現在これ程の大きさの材料でギターを作る事などないですけどね。
トップはメイプルでない方がいい感じな気がしますが、今となってはハードメイプルを使うなんて事もせずにソフトメイプルのトップであれば大丈夫なのかなあ?
派手なフレイムが出てるのとかあるけど、ハードメイプルでは絶対にでない木目ですからね、ハードの場合はバーズアイが少々出るだけで、それ以外の歪が出ることはありませんからね。
楽器屋でもトップにハードメイプルとか記載してフレイムの出てるギターを宣伝しているのを見かけますが虚偽記載ですので、素人のブログとは意味が変わりますよ、酷いと役所から指導を受けるレベルです。
ネックも結構フレイムの出てるものが最近増えてきましたが、昔はなかったですね。
昔はそんなに柔らかい木をネックにはしなかったという事です。
まあ、最近は太い弦を貼るプレイヤーも殆ど居ないので問題が無いということなのかもしれませんね。
ちなみにソフトとハードで木材の硬度は25%も変わります。
これはハッキリ云って別の木材です。
それはともかく、フレットはやはり低いですが、弾き易いしタッチもいいし、サスティンも在りますから、弾いていて楽しくなるギターですね。
レスポールなのに弾き易いなんて、ほかには無いです。
そこそこアンプを選ばないとレスポールらしい音が出ないのが普通ですが、コイツは然程アンプを選ばなくても柔軟に対応できますね。
ドライブさせたアンプでも全然OK、フロントピックアップの音が膨らみすぎたりもしませんし、MIXでピッキングのポジションを使い分けながら弾いているのが、とてつもなく楽しいですね。
人気が無いのは解るけど、これをしらないなんて勿体無いね。
レスポールレコーディングを知らずにレスポールを語るなかれなんてね、そんな事云われても困るだろうけど、そんな印象を持てるギターです。
トップの木は1枚ですね
これはホンジュラスマホガニーで殆どの部分が出来ていますので、現在では作る事は不可能ですね。
ブックマッチなんてケチな真似はしていませんし、当時としてもレコーディングには良い材料が選別されている様に思います。
ノブはスピードノブに変更されています。
リアピックアップの下側のノブがボリュームなのでボリュームのコントロールはとてもし易く見た目よりも操作性は良いです。
2つめのノブはロータリー式バリトーン・スイッチで11段階のロータリー式です。
これはロウインピーダンスで出力する際に効くコントロールなので通常のハイでプレイする際には然程使い道がありませんが、ロウで入力出来るプリアンプ部を使ってアンプに通すなどすれば使い道は在るのでしょうが、直接コンソールに入れる様な使い方もしないのでなんとなく勿体無いです。
今度MTRに通してからアンプに繋ぐTESTをしてみよう。
残り2つはG&L同様ハイカットとロウカットになっていますので、かなりのトーンコントロールが効きます。
更にレスポールなのにフェイズアウトサウンドを出す事が可能です。
PHASEと記されたSWです。
その隣はHI、LOの切替SW
そして、トーンセレクターです。
1は直接出力で2、3はフィルターをカマしている様に思いますが、HI-CUT、等と併せて使うと効きがかなり変わりますので、単なるフィルターとは違う様に思いますが、内部をあける時に回路を確認してみます。
このでっかいシングルコイルはローインピーダンスのピックアップです。
コイツは本当に凄いピックアップで、クセがなくてナチュラル、そしてそこそこパワーもあって、これ程のピックアップは他に使った事がありません。
白いSWはピックアップの切替用
後に現在のレスポールと同じ位置に移動されますが、この場所に在るのはやはり使いづらいですね。
まだ、この個体にはワイドトラベラーブリッジは付いていません。
コンター加工されています。
かなり広い幅で加工されており、中心部はストレートです。
フェンダーの様にRで完結するタイプとは違いますね。
ボディは前後でトップが板目、バックが柾目のホンジュラスマホガニーが使われています。
後期になると、この板も1枚板ではなく3ピースのモノになってしまった様です。
バックも1枚板です。
コンターはここまで削っています。
ネックは3ピースのマホガニー、後期はメイプルに変更されます。
ヘッドにはハイエンド機に使われるギブソンスプリットダイアモンドとモデル名の入ったロッドカバー
ペグにもギブソンと記載されています。
このギターにはちゃんと説明用のパンフレットが付いていました。
更にサンプルとしてレスポール氏の演奏がはいったソノシートが付いています。
ギブソンのソノシートですよ、それもレスポール氏の演奏です。
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SIDE 11. Introduction by Les Paul
2. Johnny Smith Style
3. Wes Montgomery Style
4. Country
5. Rock
6. Funky Gutbucket
7. Want To Get Highs?
8. Outro
SIDE 2
1. Introduction to side 2
2. Tomorrow, today (3mb song)
おまけです。
2014/02/12 追記
限定版 Gibson Les Paul Recording発売
ギブソンから新たに発売されたGibson Les Paul Recordingですが、木材が全然違いますね。
アフリカンマホガニーでしょうか?
それも、ブックマッチをトップ、バック共にしており、初期のレコーディングとは全く異なる仕様ですね。
SW類も違います。
上がレスポール氏のものです。(彼は何本も持っているのですが)
下が新型のものです。
何故ここまで変える必要があるのか不明ですね。
FHASE SW等はINとOUTの向きが違います。
さっぱり判りません。
重要なTONE SWはありません。
OUTPUTはLOとHIを同時に出力出来る様にしてある様です。
ノンエフェクトでコンソールに入れて、片側をAMPとかって実際に有るのかな? まあ切り替えでなく同時に使えると云うのは新しいけど、必要性は感じないですね。
その上、LO-Z/HI-Z両方を使用した際にグランド・ノイズを軽減する為の、GROUND LIFTスイッチも搭載していますって、事らしいけど、その意味も不明ですね。 元々無いし、何故無いものを付けるのか意味が判りません。
コンターの形状もだいぶ違いますね。
深く削れない理由があるのでしょうかね?
ボディのトップとバックの接合部はどこにあるのかは判りません。
通常のレスポールと同じかもしれませんね、バックの厚みは今のレスポールと共通の部材で調達できますからね。
ビグスビーのユニットはレスポール氏が使っているモノと同じタイプ
ワザワザ、ビグスビーを付けたと云う事はレスポール氏のモデルを意識してFANに向けて発売すると云うのがマーケティングとしては有りがちな判断だと思いますが、SWの構成や出力までもがオリジナルと異なるモデルに何の価値が有るのかさっぱりわかりません。
トップの杢目もココに添付した2台では板目と柾目で違いますし、厚さや接合部まで違う様です。
ギブソンは昔からコレだから信用できないんだよね。
いい技術者は多い筈なのに経営側や販売、マーケ側が無理やり利益を産む様に製品原価を下げる作り方をしてるように感じます。
現在のプレイヤーがHIをメインで使う事を前提としてSWの構成を変更したとしても、それは意味が無い事です。
レスポール氏の俄ファンが買うとも思えないし、出すなら生きてるうちにちゃんとしたもの出したらよかったのにと思えてなりません。
まあ、このギターでは彼の音は全く出ないでしょうね。
あまりにも悲しいギターですね。
ここまで違うものを本家が当り前の様に出すんだからね、ガッカリします。
ガッカリついでに、ギブソンがホンジュラスマホガニーや軽めの良いマホガニーが手に入らない時にレスポールに何をしていたのかお見せしましょう。
こうやって、重いボディを軽量化してました。
一概に悪い事かどうかは云えないけど、重すぎる材料しか無い時に、穴をあけてまで生産すべきと判断する会社と云う事が判ります。
まあ、作らなければ潰れていたんだろうけど、プレイヤーとしてユーザーとしては如何なものかと思わざるを得ないねえ。
これ以外にホローボディのレスポールも作ったりして、まるでスマグラーからシンラインを作ったフェンダーのパクリに近いものが在るよね。
ちょっと古いレスポールを買う時にボディをコンコン叩いていい音だ!!
木が枯れてるのかなあ、なんて思って喜んでいるあなた、それは穴です。
それとレコーディングならE-BAY探せば売ってますから、そっちを探した方がイイですよ、でも、新型も既に流れてるんでそれを掴まされないようにね。
コメント一覧
真正キューバンマホガニーではないでしょうか。
近年めったに出ない木材ですし、レコーディング用ならではの選定かと分析します。
現在ではもう真正もなにもなく、本来のマホとはかけ離れた交配種の近似種しか市場には無いようです。このレコーディングこそ本物の証でしょう。
お大事に。
正式にはギブソンからキューバンマホの採用のアナウンスはありません。
米サイト等ではキューバンマホをマーチンやギブソンの初期には使っていたのではないかと云う説は多いですが、確認できるものはないようですね。
実際にはDNA検査でもすれば、どの木であるかは判るでしょうが、自分としては意味はありません。
このギターもレコーディングの初期ですから70年代前半なので、ギブソンの初期という訳ではありませんし、もし使われていたとしてもエレキギターが開発される前の楽器だと思います。
現在もキューバを求めている人たちはアコギのサイドとバック用ですからね。
ともかく、このギターは1枚板でトップとバックを作ると云う今では全く考えられない作り方をしていますし、それは誰が見てもわかります。
それだけで充分です。
何故ハードメイプルには絶対にフレイムは出ないとお感じになったんでしょうか?
ハードメイプルはエイサー・サッカラスと云われる特定の種であり、亜種としてはエイサーにグラムが近い種として捉えられていますが、ソフトメイプルはそれ以外のビッグリーフ・メープル、ボックスエルダー、レッドメープル、シルバーメイプル、ストライプメープル等の種をまとめてソフトメイプルと称しています。
カーリーメイプルの様にフレームが多く出る木材はレッドメイプルと呼ばれるソフトメイプル材です。
基本的には別の木材なのですが、ハードメイプルにもフレイムが出ると云うのは、エイサー・サッカラスにフレイムが出ているものが有ると云う事でしょうか?
個人的にも確認したい内容なので、資料等を紹介して頂けるとありがたいです。
それと同時にギブソンに対する信仰が揺れ動いております。
ところでこのギターのフレットはフレットレスワンダーなのでしょうか?
私も所有しているのですが、弾き難くく、フレットを打ち替えて使用しようか、それともオリジナルを尊重して欲しい方に譲った方がいいのか考えております。
ご存知でしたらお教え願えますでしょうか?
ギブソンは技術者のレベルは悪くは無いと思いますので、楽器単体の判断は、個別に作られ方や材料等によって見なければなりません。
このギターはフレットレスワンダーではありませんが、フレットは低いです。これはこの時代のモノはみんなそうですし、ギブソンよりもフェンダーんお方がフレットは低いです。
弾きにくいのであれば、無理する事はありませんから、自分の好きな様になされば良いと思います。
自分はメインのギターがあるので、このギターは一つの基準として、再確認できる楽器と云う事でオリジナルを留めています。
これを弾く事で取り戻せる感覚がありますし、その時代の楽器の基準と云うものが有りますから、その辺りの事を堂考えるかだと思います。
以前、マイナーさんのコメントにございました、ハードメイプルについてですが、最近、国内の工房系メーカーから、ハードメイプル材を使用したものが多く出ています。しかもフレイムも光線の加減で控え目ですが出ているものが結構あります。
そこで私も必ずしもハードメイプルに絶対に杢は出ないとは言い切れないのではないかと思うのです。同じような議論で、ハードメイプルには必ずフレックが出るというものもあります。ですが、ソフトメイプルにもフレックは出るそうですし、似たような話と思うのです。
ハードが否かは、比重や堅さで手に持ってみればすぐにわかると、ギター木材屋さんから聞きました。
でも、ハードメイプルにフレイムが出るといっても、実に控え目な出方だというのは共通した意見のようです。光線に照らしてやっと浮き出るような感じですね。
バリ杢のものは、ソフトで間違いないようでした。
マイナーさんに返答させて頂いたコメントはお読みになりましたでしょうか?
それとは別に、フレイムが出る理由は語存知ですか?
一般的には木が曲がった時の痕が残ってあのようになると云われています。
生きた樹ですから、復元し強度に直接は問題は無い様ですが。
エイサー・サッカラス等の種にフレイムが出ているのでしょうか?
詳細な内容になれば、詳細な情報が必要になります。
実際に詳細を知ろうとすれば、この業界はかなり曖昧です。
まずはハードメイプル、ソフトメイプルと云う呼び名が有る程度の種の木材を総称している事を覚えてください。
そして木の良し悪しの価値や呼称などは楽器屋ではなく材木屋や家具屋の価値観で付けられたものです。
たしかに、およそ150種ほどもありますので、総称的にハード、ソフトの区別するも玉石混交のような状況はあるようです。
ですが、その杢というのも写真が無いので表現しにくいのですが、バーズアイが出たり、細かいブリスターのような杢状で、はっきりしたフレイムではないのです。さらに比重です。とにかく堅いし重いので、仕入れの時に、はっきり分かるそうです。
木材屋さん等の価値観や商売上の事情で、何も知らないユーザーに売らんかな、という魂胆もないとはいえませんが、日本の一部の良心的工房系の経験あるビルダーを私は信じています。
昨今、自分の目で確認し、工房の保管庫にある材のタッピング試験、仕入れ先、CITESエビデンス等を自分自身で確認する慎重さがある人はまだまだ極少数派だと思います。
私事で大変僭越ですが、自分自身のギターのために、私はどんな遠方にでも、銘木市でも、必ず出掛け、専門家の意見も聞き、耳学問をしながら、自分のための特注ギターを制作しました。いろんな材サンプルも数多く目にしてきました。
特にハードメイプル、ブラジリアンローズウッドの判別は一応学ぶことができました。
前の件で、ハードには確かにブリスター的な杢が出ているものがあるのです。
(再度、失礼いたしました)
マッサージされながらの演奏はナイスなビブラートが・・・w