2013年12月05日
YAMAKI 180
第10弾は YAMAKI 180 です。
YAMAKIのギターって知ってますか?
とっくにつぶれてしまったのですが、なかなか良い物がある様です。
私も購入するまで、気にしてなかったのですが・・・・
このギターは180と言うモデルで他の表記は一切ありません。このギターはNET上でも見たことがありま
せん。
マーチンのD-28をイメージしつつネックのポジションマークをちょいと奢ったデザインになってます。
特徴はハイフレットの下のブロック! このブロックのおかげでネックとボディの歪みを抑え、狂いの少ない楽器です。
発売時期は1975年前後でしょう? YAMAKIがカタログを出す頃には既にナンバーのみの型番は無くなっていますので、それ以前という事でしょう。
180と言うのは、8万円のモデルと言うことらしいです。
私が購入したきっかけは、その頃クルマで会社に通っていたのですが、新目白通りと中野通り?の交差点の古道具屋を覗いた時、幾つかのガラクタまぎれてこいつがありました。 ボディにはシールがベタベタ貼られて、ストラップピンをなぜかボディーサイドに付けようとして失敗したらしく(それも2つ)穴があい
ており、弦はボロボロで埃まみれ・・・・・
手に取るのもためらわれる状態でした。
弦がひどいのでネックの状態も良く判りませんでしたが、¥5000-なら買うと言う一言に商談成立!!!
アコギだと言うのに、ピカールでゴリゴリ磨きました。
しかし、新しい弦を張ると・・・・・何とビックリ!!!
鳴る!!
しかも、ベラボーに弾き易い!!!!!
YAMAKI恐るべし!
ピカールで磨いてから何年経ったんだろうか・・・
15年くらいかなあ?
それはともかく、TOPはスプルース、ピックガードは塗り込みではありません。
購入時には思った程、高音域のキラキラ感を感じませんでしたが、最近弾いてみたらかなり倍音が目立つ感じになって来ています。
低音域に関しては、元々デカイと感じるほど出ていましたし、それは今でも変わりません。
俗に云う縦ロゴと云う奴です。
買った時はプラスチックかと思ったけど、よく見たらアバロンインレイの様です。 何か不自然な感じがしますけど。
サイドの木目、ハカランダですね。
合板ですけど。
ネックのヒールが継ぎ足されています。
それも2段階、その加工の方が大変そうですが理由は不明です。
実際には、この時代に8万円のギターは非常に高額です。
材料もかなり良いものを使っているにもかかわらず、ネックのヒールが貼り合わせてあると云う事は、普通は考えられません。
材料費を抑える為に普通はこうした事を行うのが一般的だからです。
もしかしてボディ内部のブロック部分がここに飛び出してきているのだとしたら、もの凄い事ですが・・・
ネックとヒールの境目は判ると思いますが、ヒールも斜めにラインが見えています。
反対側の木目、ブックマッチで左右の模様を合わせる様に作られています。 合板で、そんなことが出来るなんて、元々こう作ることを前提に合板を作らないとコレはできないことです。
良く考えれば深いですよ。
バックですね。
ローズウッドですが、ちょっと一般的なものとは違って荒い目が出ている様に見えます。 マホガニーチックな印象。
マホにしちゃあ目が荒いですよね。
バックのバインディングは何故かヘリングボーン、TOPより派手です。
不思議です。なんでTOPと違うのかなあ?
ペグもオリジナルのまま
初めに買ったギターからアコギのヘッドにはピックホルダーを常設してます。 ここにあると便利ですが、最近はヘッドに挟むチューナーが多くなってきたので、チューナを挟みづらいのが難点です。
以前の持ち主がストラップピンを付けようとして失敗した穴が空いています。 良く見ると板が重なっている様子が見えると思います。
近年の様な、紙の様に薄い表木ではありませんが、3枚で出来ているようです。
真ん中に挟まれた板は板目を直角にしたものです。
そうする事で剛性と強度が上げられますし、割れに強くなります。
MADE BY YAMAKI
180
と、180の部分はスタンプですね。
YAMAKIはネックとボディの接合箇所に三角のブロックを使ってネックの起き上がりを防止する作りになっています。
確かに現在でもネックは真っ直ぐで弦高をかなり下げても問題ありません。このブロックの構造が詳しく知りたいところです。
ネックにヒールにまで繋がっていたら最高に面白い事なんですけどね。
トラスロッドはここから調整します。
今、見てもしっかり作られていますね。
このギターを作った人に、現在の音がどうなったのかを聴いて頂きたいものです。